(ニュース転載)あすからナイター開催 薄暮開催 予算に10%届かず
ばんえい十勝劇場さんからの転載記事
あすからナイター開催 薄暮開催 予算に10%届かず
ばんえい十勝は20日からナイター開催が始まる。今季初めて実施した薄暮開催は16日で前半が終了、馬券の発売成績は16億5434万1200円で予算比10.43%減、前年比11.40%減と想定以上に厳しい状況となっている。ナイターは9月21日までの計42日間。帯広競馬場でビアガーデンなどの企画もあり、多くの来場を呼び掛けている。薄暮開催は5月9日に前半がスタート、16日までに計18日間開催した。後半はナイター終了後の9月26日に開始、10月19日まで計12日間行う。
前半の薄暮開催は予想以上に馬券発売が伸びず、1日の最高額は5月10日の7803万800円、最低は6月1日の5209万4600円。景気低迷に、天候不良などが追い打ちをかけた。
16日までの開催24日間の累計発売額は、帯広競馬場が4億6736万4000円(予算比12.79%減、前年比9.48%減)、道内6カ所の直営場外は6億3177万1200円(同2.29%減、同8.27%減)。帯広の落ち込みが目立つ。
道営競馬のミニ直営場外「Aiba」など広域発売も不振が続き、2億1391万8300円(同26.46%減、同21.41%減)。電話.ネット発売も3億4128万7700円(同8.64%減、同12.47%減)となっている。
ナイターは昨年の反省を踏まえ開催日を42日間と期間を短縮。第1レースは午後2時半、最終第12レースは8時35分となる。ビアガーデンは7月4日から8月末まで。ナイター開始キャンペーン(20-22日)として馬券3000円以上の購入者に、騎手の直筆サイン入りポストカードを提供する。市ばんえい振興室では「薄暮開催の効果を検証して後半に生かしたい」(合田隆司室長)と話している。
ということで,予想はされていましたが厳しい数字が並んでいます。とりあえず種別ごとに軽く考察してみますと。
○競馬場 予算比12.79%減 前年比9.84%減
えっと。わたしの記憶が確かならば,薄暮開催が始まった大きな理由の一つが「5月からナイターは寒すぎるから」だったはずなのですが。その不評だった昨年からの巻き返しもできていないのはいかがなものかと。
> レースの最初(午後0時半)と最後(同6時半ごろ)が昼食や夕食の時間と重なり、
> 中途半端な時間帯だったかもしれない
という市の担当者のコメントがありましたが。それ以外にも道新の地方版にあった記事でとかち馬文化を支える会の旋丸巴理事のコメント
> レース開催時間が頻繁に変わりファンも混乱しているのでは
というのもあるのでしょう。結局のところ,事前のリサーチがまるでなっていないんじゃない? どういう数字を見て検討して薄暮開催を決定したの? という,このblogでも何度か書いてきた話になるわけで。
とりあえず,来年度以降の話はともかくとして。今年度のナイターや秋季薄暮開催での売り上げ増を図るとしたら,以前のエントリで書いたように「夕方に帰宅する客にその後のレースを前売りで買ってもらえるようなキャンペーン」とか「観光客に便利なサービス」を打ち出していくべきかな,と思います。そして,それを推進するに当たっては「競馬場」だけで考えるんじゃなく「オール十勝」の視点でやっていくべきではないでしょうか?
○直営場外 予算比2.29%減 前年比8.27%減
○広域場外 予算比26.46%減 前年比21.41%減
広域場外の落ち込みが特に目立つのは,Aibaで売らなかった日があったのもあるのでしょうか? こちらも「夕方に帰宅する客にその後のレースを前売りで買ってもらえるようなキャンペーン」みたいなのを考えられないかな,と。
○電話ネット 予算比8.64%減 前年比12.47%減
ナイターや薄暮開催を実施するにあたっては「他場(主にJRA)と競合する時間を避けて,そちらのファンを呼び込む」という目論見があるのかと思いますが。数字を見る限りは成功しているとは言い難いでしょう。これは「レース開催時間が頻繁に変わりファンも混乱している」というのもあるでしょうが,それ以上に存廃騒動→単独開催時に新規で購入してくれたファンをリピーターとして掴みきれていないということが大きいと思います。
ネット投票の振興策についてはナイターだ薄暮だという以前に「インターネットでばんえい競馬の馬券を買ってもらうための努力」が必要だと思います。なんといっても五重単の導入を間近に控えているわけですから。これについては競馬場だけでなくオッズパークの動きにも注目したいです。
ネット投票の振興策というかインターネット層のファン獲得については,これまでもところどころのエントリで書き散らかしておりましたが,後日改めてまとめてみたいなと思います。
薄暮開催については,結局のところ「どの客層をターゲットにしているのかが分からない」というのが正直な感想です。競馬場の入場者数を増やすのが目的だとしたら,来てもらいたかったのが観光客なのか地元の若者なのか? ネット投票の売上増を期待したのか? 結局のところ全部門で目立った成果があがっていないわけで。
ナイターあるいは秋季薄暮開催の成功のためには「来てもらいたいと考えている客層」をターゲットにPRを集中的に行ってもいいんじゃないかと思います。例えば,観光客を狙うなら観光コンベンション協会や十勝川温泉とのさらなるタイアップを考えるとか,旅行関係のメディアへの働きかけ。JRA最終レースが終わった後に流れてくる客層を取り込むなら,よりJRAのファンが目にしやすい形でのPRとか。本当はJRA開催中の札幌競馬場でPRイベントとかできればいいんでしょうが,やっぱり無理なんでしょうかね……。
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