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June 16, 2009

今週末からナイター開催がはじまります

今週末からばんえい競馬はナイター開催が始まるわけですが。
個人的には,ばんえい競馬にはナイター開催という形態はフィットしていないんじゃないかと感じております。レース別時間別の売上額や来場者の時間別推移等の数字が分からないので,あくまで推測あるいは印象論でしかないのですが,ナイター開催による新規需要によるプラスよりも,昼間しか競馬場(場外含む)に居られない層が買えなくなる分のロスの方が多いんじゃないか,と考えたりするわけです。

昼間しか競馬場に居られない層ですが。
例えばファミリー層。夜遅くまで子供を外で遊ばせるわけにはいきませんし,夕食時には家に帰る家庭が多いでしょう。そして高齢者。基本的に生活スタイルが朝型になっている人が多いと思います。最終レースまで競馬場にいるのは厳しいでしょうし,公共交通機関を利用して来場している方々はそもそも家に帰れるバスが走っていないということも。また,農畜産業等に従事されている方は,朝早くから仕事があるから競馬を途中で切り上げて帰らざるをえないということもあるでしょう。
もちろん「帰る時にそれ以降のレースをまとめ買いしていく」人はいますでしょうが,結構な人数が最終レースを待たずに家路についているのではないかと思います。
反対にナイターの恩恵を受けた新規層を考えると,ビアガーデンを目当てにしたグループ客,仕事を終えたサラリーマン,観光客。場外(とネット)でいえば中央競馬の最終レース後に移動してくる人。

ここで忘れてはいけないのは,ばんえい競馬の馬券売上のうち帯広競馬場で売られた分の占める割合は2割以下であるということ。半分以上は直営かAiba等の場外発売所で売られているわけです。競馬場ならいつもと違う幻想的な雰囲気の競馬を目の前で見られ,ビアガーデン等の賑わいがあるという付加価値がありますが,場外にはそれが無い。晩御飯の時間になったら競馬を切り上げて帰るお客さんが多く現れても仕方ないのでは。

ということで,馬券の発売のみで考えると,現状ではナイター開催によるプラスよりもマイナスの方が大きいのではないかというのがわたしの推測です。ただ,あくまで推測ですので,実際のところは時間別売上額の推移や時間別入退場者の推移といった数字を精査する必要はあるでしょうが。


そして,馬券の売上額以外でいえば,ナイター開催よりも昼間開催の方が地元経済効果が高いのではないか? という疑問があります。

とりあえず自分の例で。わたしは札幌在住で,帯広競馬場に行く時には日帰りでJRを使うことが多いのですが。昼間開催なら最終レースまで観た後に帯広市内で夕食をとってJRに乗ります。これがナイターだと,競馬場で食事をとってメインまで観戦,最終レースを観ずにJRの最終列車で。「帯広で夕食をとる」というのは同じですが,「市内の飲食店」と「競馬場の食事スペース」という違いがあります。地元への貢献度でいえば,前者の方がより高いのではないでしょうか? グループで来ていれば「せっかくだから帯広で居酒屋でも」という話になりますが,ナイターだとJRの車中で缶ビールになるわけで。
帯広周辺で宿泊する観光客のケースを考えてみると。昼間開催だとレース終了後にゆっくり食事をしてその後2次会3次会……というのもできそうですが,ナイターだと時間が遅くなっちゃうし,お目当ての店の閉店時間もあるでしょう。十勝川温泉に宿泊するとしたら,温泉&ホテルの料理をゆっくりと味わいたいという方も多いでしょう。そちらの楽しみを優先したいというお客さんは早めに競馬場から帰ってしまうことになります。観光客は60日以内に競馬場を再訪する可能性は低いですから,後のレースの馬券は買ってくれません。

地元の人たちに「ばんえい競馬があるおかげで地元経済が活性化している」と感じていただくためには,競馬場の売店だけじゃなく,地元のお店にお客さんが流れていなかなければいけないと思います。しかし,具体的なデータの無いただの憶測ですが,ナイター開催によりその流れが活性化されているかというと,あまり効果が無いかむしろの昼間開催の方が上なのではないかという気が。


……と,否定的な意見を書いてきましたが,わたし個人の無根拠な思いつきとは関係なく今年度のナイター開催はまもなくスタートします。また,将来にわたって「十勝の夏の風物詩」として大いに盛り上げていくべき,という論もあるでしょう。
だとしたら,ナイター開催をどのようにPRしていくべきか,競馬場に新規で呼び込みたい層を狙い撃ちにしたキャンペーンや,夕方になると帰らざるを得ない既存客に前売りで馬券を買ってもらえるようなキャンペーンを考えてもよいのではないでしょうか?
また,夏の十勝観光の目玉としてナイター競馬を盛り上げようとするなら,商工観光関係団体との連携を強化していくべきかと思います。

以下,思いつきでいくつか。
・オッズパーク&楽天競馬でやっている「ラスト2Rキャンペーン」の本場・場外版。確定前メインレースの馬券提示でクジがひける抽選会。
・全レース購入スタンプラリー(仮)。1~12全レースの馬券を買えば粗品プレゼント。
・「ハズレ馬券提示で○○をサービス」実施店の増加。飲食店以外でならタクシー会社を是非。
・最終レース終了後に競馬場→北の屋台への無料シャトルバス運行。
・観光ガイドやパンフレットに競馬場入場無料券と馬券購入券(100円)をつける。
・ビヤガーデンはちゃんとノンアルコールビールを販売してます……よね?
・場外発売所でもビヤガーデンを。


「競馬を盛り上げよう」という視点だけでなく,「十勝(北海道)を盛り上げるために競馬場としてできることを考えよう」という視点でいろんな事ができれば面白いよね,と思いますし,実際にそうなっていくことが「地域に密着した新生ばんえい競馬」の理想なんだろうなと思います。

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