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December 21, 2016

ばんえい競馬2016年12月18日7レースの出来事について(私見)

ばんえい競馬2016年12月18日7レースにおいて、4番ラッセルクイン号に騎乗していた鈴木恵介騎手が「騎乗法に適切を欠き(追い方に闘志を欠く)競馬の公正を害したため」騎乗停止となりました。
http://www.banei-keiba.or.jp/topics/20161218.html
この件について、ちょっと自分で考えたり識者にご意見をいただいたりしたので、備忘録的に書き残しておきます。

今回の制裁となった理由が「追い方に闘志を欠く」と、今までに見た記憶のないものでありました。そもそも「闘志があるかないか」なんて見た人の主観によって大きく左右されるわけですから。制裁の根拠として妥当なのかなあと思ったりもしたわけです。
で、改めてVTRを確認してみました。
http://keiba-lv-st.jp/#trackid=obihiro&racenumber=7&date=20161218&status=past

2分5秒を過ぎた辺り。ラッセルクイン号の脚色が鈍くなって今にも止まりそうになったところで鈴木騎手が手綱を引いて馬を停止させ、バイキをかけて再始動させた場面。この動作が「馬を故意に停止させた」と判断されたんじゃないかなあ、と思い至りました。
ばんえい競馬では第2障害降りてからゴールまでは騎手が故意に馬を停止させてはいけないことになっているそうです(ばんえい記念を除く)。なので、この一連の動作は「闘志を欠く」という表現はおかしいながらも、「不適切な騎乗法」と判断されてやむなしと思います。
実際のところ、ラッセルクインはかなり消耗していて、あれ以上は歩けないように見えたし、あのままだと前足の膝をついて転倒するかもしれないようにも見えました。馬の個性やクセを熟知している鈴木騎手が「転倒を避けるため」の扶助だったかもしれません。とはいえ、故意に馬を停止させてはならないというルールがある以上は、馬が停止してから手綱を引かなければいけなかったのでしょう。
実際、もし馬を転倒させちゃったら騎手がヤジられてしまうわけで(苦笑) 鈴木騎手にとっては不運だったかもしれませんし、2日間の騎乗停止という制裁はちょっと可哀想かなあとも思ったりします。

それはそれとして。今回の制裁理由となった「追い方に闘志を欠く」という表現。個人的にはどうしても違和感を感じてしまいます。「追い方に闘志を欠く」という理由で制裁を与えるということは

「馬の助けになりもしない、騎手が闘志を見せるため『だけの』扶助」を主催者側が助長することになりかねないよなあ

と。取り越し苦労的な余計なことを考えたりもするわけです。
ばんえいにおいて、馬の扶助として真っ先に思い浮かぶのは「べん打(手綱で馬の尻を叩くこと)」かと思います。ダイナミックなフォームのべん打は騎手が最も「絵になる」場面の1つですし。ただ、扶助の技法というのはべん打の他にもたくさんありますし、それは必ずしも「外側から見て分かりやすい」ものだけではない。
騎手は自分の持っている扶助の技法を駆使して馬をゴールまでいざなうわけですが。その際にどの扶助を用いるかは「その局面や馬の個性にあわせて最適なもの」が選択されるべきだと私は考えます。騎手が自分のやる気をアピールするために、その馬には効果の低い(あるいは逆効果)の扶助を選択するのは本末転倒ではないかと。もうちょっとハッキリ言えば「馬にとって意味のないべん打が増えるのは好ましくない」私は考えます。

「闘志を欠く」という言葉がどういう事を言わんとしているかは何となく推察できますけど。ただ、世間一般的な「闘志」という言葉の意味と「それがあるor欠ける」という表現からすれば、(少なくとも今回の件では)誤解を生むというデメリットの方が出ちゃっているのではないかと。この裁決理由、何とかならないでしょうかねえ?

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