March 10, 2010

血統解説(第20回) オレワスゴイ

今回の血統解説は天馬賞で久々の重賞勝ちを果たしたオレワスゴイ。父富士力,母姫花。2005年生まれで浦幌町北村節子氏の生産馬。
父は富士力。自身は競走馬としてデビューすることなく繁殖入りしていますが,ビュウティーニセイ(93黒ユリ賞),ダイヤビュウティー(94白菊賞)と半姉2頭が重賞勝ちを収めています。また近親にはハクマサヒカリ(87農林水産大臣賞典)など。2代父タツリキは純血ペルシュロンの競走経歴馬で通算成績は99戦8勝。
母は姫花で競走経歴なし。オレワスゴイが同馬にとって9頭目の産駒となりますが,兄姉で競走馬登録された6頭のうち5頭が能力検定を合格しています。その他近親では目立った活躍馬は見られません。母父アイスリヤルは142戦20勝で重賞2勝。昭和の大種雄馬富士の直仔でhttp://homepage1.nifty.com/riki-midori/horse/ebtsy.htmlの父になります。

オレワスゴイの5代血統表
富士の3×3のインブリードがあります。祖先に純血ブルトンの父×半血馬の母を掛け合わせた馬が多く入っており,非常に面白いですね。ベルジャンの血は入っておらず,全体的に見ても非主流系の種雄馬が目につく異系の血脈となっています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 19, 2010

血統解説(第19回) ホクショウバトル

すいません,すっかり更新が滞ってしまいました。久々の血統解説はヤングチャンピオンシップ勝ちのホクショウバトル。2007年4月8日生まれ。父インディボクサー母風乃亜美,本別町風間進氏の生産馬。

父はインディボクサー。1996年生まれということはスーパーペガサス等と同年齢。通算成績は197戦23勝で重賞への出走経験はなし。半兄にニュートリノ(166戦21勝),近親にスーパーペガサスがいる血統背景や繁殖牝馬の多い十勝で供用されていたこともあり,初年度から多くの産駒に恵まれました。ホクショウバトルはウィナーミミに続く2頭目の重賞ウィナー。インディボクサーは既に亡くなっておりまして,現3歳馬が最後の世代。早逝が惜しまれます。2代父ダイヤテンリユウは71戦29勝で重賞10勝,ニセコクインヨウテイクインの兄,種雄馬としてもサダエリコハイトップレディをはじめ多くの活躍馬を出した,ばんえい競馬史上屈指の名馬。

母は風乃亜美で,恐らく競走馬としては登録されていないと思います。ブルーストーン,キタノユリヤーと,近い兄姉は競走馬としてデビューしていますが,それより前に生まれた5頭の産駒は競走馬としては登録されていない模様。近親にも目立った活躍馬がいない,どちらかといえば地味な牝系といえます。母の父シマノカチクリは185戦24勝,あのミサキテンリュウの父ですね。

ホクショウバトルの5代血統表
ジアンデユマレイ(ベルジャン),鉄鯉(ブルトン),二世ロッシーニ(ペルシュロン)と,それぞれの品種を代表する大種雄馬のインブリードを持っています。計算された配合なのか偶然なのかは寡聞につき判断しづらいところですが,非常に興味深い血統です。

いわゆる「インブリード」がばん馬の競走能力にどのような影響を与えるのかについては,これまであまり議論されてこなかった(そもそもばんえいの競走馬の血統に関する議論自体が為されていない)わけですが。ペルブルベルジ3種の大種雄馬のインブリードを持つホクショウバトルの今後の活躍で,このへんの議論が活発になると面白いかなと思いますし,ばんえい競馬の競走馬の血統自体に注目する人が増えてくるとうれしいなと思います。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

November 12, 2009

血統解説(第18回) ユーファンタジー

今回の血統解説はクインカップで重賞初制覇を達成したユーファンタジー。2005年生まれ。父ヤマノカイリキ母ツジノファンタジー。厚沢部町辻口愛子氏の生産馬。

父はヤマノカイリキ。通算成績は193戦30勝。重賞競走への出走経験はなかったものの,3~4歳(旧表記)時には世代限定一番手のレースに度々出ていました。古馬になってからは条件戦を中心に出走し,2004年2月に明け10歳で登録を抹消,繁殖入りしました。2005~06年と2世代の産駒を出しましたが,競走馬登録されて能力検定に合格したのはユーファンタジー1頭のみとなっています。二代父エゾフジは通算68戦4勝ですが,兄にスーパージヤンデイ(155戦29勝),妹ジユリアン(不出走)はライデンロックの祖母で「ライデン軍団」の基幹繁殖牝馬というべき1頭です。
母ツジノファンタジーは2000年生まれで競走経歴なしですが,シンザンウィーク(216戦28勝)の全妹です。この系統の活躍馬は他にハイランドレディ(136戦17勝,黒ユリ賞4着)あたり。

ユーファンタジーの5代血統表
ジアンデユマレイと二世ロッシーニのクロスが目立ちますね。血統表を見た感じはブルトンの影響が少ないこともあって,晩成型のようにも感じられますが。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 22, 2009

血統解説(特別編) 全道祭典ばんば1歳馬決勝大会出走馬

今週末は全道祭典ばんば1歳馬決勝大会が行われます。
そこで出走各馬について血統解説を簡単に。

○雌馬の部

カワラヒメ
父スターシンザンは209戦15勝,この世代が2世代目の産駒。母ロッキートップは不出走。2代母の北富士姫はビュウティーニセイ(93黒ユリ賞),ダイヤビュウティー(94白菊賞),富士力(オレワスゴイの父)の姉にあたります。

プリンセスハナヤヨイ
父は3歳三冠馬のウンカイ。母プリンセスヒメコは54戦4勝でニシキガールプリンセスサクラコの姉。「良血」という言葉でいえばメンバー中随一ですね。当然プリンセスハナヤヨイという名前では競走馬登録はできませんが,春にはホクショウ○○○○の名前で能検に出てくるんじゃないかと予想しておきます(w

フジヒメ
父ヒロノツヨシは198戦19勝,今のところ2世代が競走馬デビューしていますが今のところ目立った産駒はなし。母フジノビックヒメは23戦1勝。近親には活躍馬は見当たりません。

テルミユー
兄のサムライキングとシンザンテンリュウが競走馬デビューしています父ユウシンコマは181戦33勝,テルミユーが8世代目の産駒となります。母清姫は競走登録無。

ホウザン
先日の白菊賞で5着に入ったヒカルワンダーの妹。他にも姉ヒカルギンガ,兄メオトフロンテアが現役。父はマルニエーカン(171戦32勝,重賞2勝)で,この世代が3代目となります。母レオナチャンプは不出走ですがキタノビッグエースの妹。

メイビ
姉にキタノスズラン,キタノラン(いずれも現役)がいます。父ヒカルイットウセイは131戦17勝でこの世代が初年度産駒。母アオノエンゼルは24戦2勝。近親に活躍馬は見当たりません。

タムラシャネル
姉にアキトクィーン(現役)。父ニシキロードは108戦11勝でこの世代が初年度産駒。母ウイナーエンジェルは不出走。近親の活躍馬はグレートブレーブ(94戦9勝)あたり。


○雄馬の部

タイヨウ
シベチャタイガー,ホクトタイガー,キタノオーロラの全弟ですね。父カツテンオウは192戦21勝。母ユキナミトップは47戦3勝。近親にマコトキング(142戦11勝)など。

クリマル
マルニエーカンは前述。初年度は函館で供用されていたのですがその後滝上に移動しました。これから活躍馬も増えてくるんじゃないかと思います。母センリュウオーカンは20戦1勝。近親に活躍馬は見当たりません。

レッドフジ
今年のばんえい大賞典2着アアモンドヤマトの全弟になります。父カミカゼマンは72戦12勝。主な産駒はアアモンドヤマトの他にヨコハマイサムなど。レッドフジが10世代目の産駒となります。母ホウセキヒメは不出走。2代母ホウセンは競走経歴馬で111戦して17勝の成績。

キンリキ
父ヒカルイットウセイは前述。母の金姫は競走馬登録しておりません。近親に目立った活躍馬は見当たりません。

ファーストクラス
父ヒロノツヨシは前述。母ブルリリは不出走で,(当時の)連勝記録を作ったウィニングの好敵手ホクショータイガー(39戦17勝)の妹。

リードアトム
全姉にニシキレディー(22戦1勝)。父はリーディングサイアーコーネルトップ(139戦31勝,重賞8勝)。この世代が最後の産駒となります。母マコトセンショウ(不出走)はフジノキリンオー(201戦30勝)の妹にあたります。

クマイシボーイ
父ハイパービートは205戦24勝,熊石で供用されていてこの世代が初年度産駒。母クマイシホマレ。近親に目立った活躍馬は見当たりません。

ミスターコイ
全姉ヒメウンカイ,半兄キンショウザン。父ウンカイは前述。母の愛はイダテンオー(139戦9勝)の妹。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 13, 2009

血統解説(第17回) テンマデトドケ

今回の血統解説はナナカマド賞を勝ったテンマデトドケ。2007年生まれで父キタノキング母北海山波。池田町坂東孝一氏の生産馬。

父はキタノキング。1995年生まれはハイトップレディ等と同世代。3歳時は目立つ存在ではなかったものの4歳になってから頭角を現し,ダービー2着に続いて菊花賞で重賞初制覇。5歳時には銀河賞,ポプラ賞を制して世代限定戦後半の主役となった馬です。ただ,古馬になってからは2戦しただけで長期休養入り。その後レースに復帰すること無く繁殖入りしました。通算成績は51戦16勝。まともに走っていたらもっと素晴らしい成績を残していたかもしれない,隠れた名馬といえるでしょう。2代父キングスターは競走経歴はありませんが,兄にマルトセンシヨー(カワシルバー等の父),ロングボーイ(重賞2勝),チカラトウシヨウ(重賞4勝)をもつ良血馬。キタノキング以外にもヨシノタロウ(250戦25勝)やサンライズ(123戦24勝)等を輩出しています。
母北海山波で競走経歴は無し。テンマデトドケの兄ダイヤノカガヤキ,姉キタノハヤカゼと競走馬デビューを果たしています。近親には北海山波からみておじにダイユーザン(181戦19勝)。その父はホツカイリユウ,通算成績171戦13勝。

テンマデトドケの5代血統表
ジアンデユマレイのクロスが目立ちます。全体的には他馬に比べてベルジアンが多めでペルシュロン分が多少少なめという印象でしょうか。キングスターの父朝姫やホツカイリユウの父富士など,雑種化の進んだ繁殖牝馬に純血種雄馬という組み合わせの馬が血統表のあちこちに見られます。明治以来,日本では在来の繁殖牝馬に海外から輸入した種雄馬を配合して馬格の改良に取り組んできたという歴史があるわけですが。その流れは昭和40~50年代においても続いていたのが垣間見られるようで,眺めていてなかなか味わい深い血統表だなと思います(笑)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 08, 2009

血統解説(第16回) ワタシハキレイズキ

今回の血統解説はばんえいプリンセス賞で重賞初制覇を挙げたワタシハキレイズキ。父シャトルシンザン,母誉花。広尾町岩岡昇氏の生産馬。

父はシャトルシンザン。1992年生まれでアキバオーショウやグレイトジャイナーと同世代。4歳時にダービー,はまなす賞,菊花賞を制覇して名を挙げた馬ですが,古馬になってからはあまり成績は振るいませんでした。通算成績は116戦28勝と10歳まで現役を続けた割りにはちょっと少ない出走数で,順調に使えなかった事情があったのかもしれません。引退後は大樹町で種雄馬として供用。正直なところ産駒の数にはそれほど恵まれませんでしたが,今回見事重賞サイアーとなりました。なお,産駒は現2歳が最後の世代となりますが,2歳馬で競走登録をされた馬はいないようなので,実質現3歳勢が最後の世代となります。その父はキタノシンザンで1984年産まれ。弟に「無冠の名馬」ヒカルシンザン。通産成績は69戦23勝,重賞競走での活躍はないもののなかなかの成績で,実質4シーズンを現役で過ごした後に繁殖入り。残した4世代の産駒からシャトルシンザン以外にもキタノソウシ等を輩出し,また母の父としてミサキスーパー,アオノキセキ,サクラガール,エビステンショウと4頭の重賞勝ち馬を出しています。
母は誉花で競走経歴は無し。純血ベルジアンの父マルゼンバージとペルシュロン主体の半血馬誉姫と対照的な掛け合わせの配合は,いわゆる雑種強勢が出る組み合わせなんじゃないかと思います。実はこの牝系は競走馬が全然出ておらず,ワタシハキレイズキの兄弟も今のところ競走登録された馬はいないのですが,ワタシハキレイズキの活躍で下の世代も競走馬になってもらえると面白いんじゃないかと思います。

ワタシハキレイズキの5代血統表
父シャトルシンザン自体が二世ロッシーニのクロスを持っている他,純血ベルジアンM.V.F. Rodneyのクロスも入っています。ともに1978生まれのロドニースジヨイジエーとヂアンスジユルですが,同じ牧場から購入したんでしょうかね? なかなか興味深いです。血統構成的にはブルトンの血からかなり遠ざかった配合です。父シャトルシンザンの競走成績から早熟なんじゃないかと考えたりしますが,血統表を眺めた感じでは決して早熟ではないような。シャトルシンザンも1100Kgを超える大型馬でしたし,まだ成長の余地は十分にあろうかと。今後の活躍が楽しみです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

September 16, 2009

血統解説(第15回) アカダケキング

今回の血統解説は銀河賞を制したアカダケキング。父アジアテンリュウ,母森姫。中標津町伊藤速氏の生産馬。

父はアジアテンリュウ。1990年生まれで現役時代の成績は42戦2勝。正直言ってあまり目立たない成績でした。2シーズン走ったところで繁殖入りしています。ただ,弟にヨシノロイヤル(198戦22勝),おじにホッカイハヤテ(120戦18勝,種雄馬)と,血統的にはそれなり実績のある系統。繁殖入りしてからも競走登録されている産駒はそれほど多くありませんが,能力検定の合格率はなかなかのもので,このへんは仕上がりの早いブルトン系の父タカラユーホ(157戦14勝)の影響が出ているのかなと思います。アカダケキングが11世代目にして初の重賞勝ち馬となりました。
母はペルシュロン系の森姫。アカダケキングの兄弟で競走馬デビューを果たせた馬はいません。祖母エスカイイヤースミスジユデイは輸入牝馬ですが,名前を見た感じフランスではなく北米産ではないかと思います。近親はアカダケキングからみておじにネムロウンリユウ,いとこにアサイシャード(180戦15勝),いとこの仔にクレシェンドスター(116戦18勝)あたり。

アカダケキングの5代血統表。ペルシュロン系の肌にペルシュロンの影響が少ないアジアテンリュウという組み合わせは雑種強勢を活かした配合ですね。父母ともに高齢の組み合わせということもあり,今の4歳馬としてはちょっと珍しいクラシカルな血統といえるかと。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 31, 2009

血統解説(第14回) ワタシハスゴイ

今回の血統解説はばんえい大賞典で重賞初制覇を果たしたワタシハスゴイ。父アキバオーショウ,母メイケツクイン。芽室町加納友喜氏の生産馬。競走馬登録されている兄弟はいません。

アキバオーショウは1992年生まれ。通算成績は195戦46勝。旭川に限れば50戦24勝,重賞7勝のうち6つまでを旭川で挙げた,文字通り「旭川の鬼」。世代的にはグレイトジャイナーシャトルシンザン等と同年齢。(旧表記)3歳時からずっと世代トップクラス,古馬になってからもずっとオープン一線級で活躍をし続け,明け10歳で帯広記念を制覇するタフネスぶり。長く豊かなブロンドのたてがみが印象的な外見もあいまって大変ファンの多い馬でした。その父アオヤマトツプはマルゼンストロングホースの直仔。
父アオヤマトツプということもあって,ベルジアンの血が濃いのかと思いきや,実はブルトンの血が過半を占めており,ペルシュロンの影響がかなり薄い。かなりレアな血統だと思います。繁殖入りして3世代目の産駒となるワタシハスゴイが重賞を勝ってこれで目出度く重賞サイアーとなりました。

母メイケツクインは不出走で繁殖入り。2代母カツコマチも不出走ですが,あのサカノタイソンの全妹で産駒にマルニゼウス(現役),ワタシハスゴイからみておじになりますね。3代母サホロクインも競走経歴はありません。サカノタイソンの他にはサカノアイドル(81戦10勝)を出した程度で「競走馬の母」としては一発屋的な印象がありますが,多くの産駒が繁殖入りしており,この系統からはホシマツリ(現役)等が出ています。まだまだ発展する余地のある牝系ですし,サカノタイソン産駒で繁殖入りした馬も出てきております。これから多くの競走馬の血統表にサホロクインの名前が現れることでしょう。

ワタシハスゴイの5代血統表
ブルトンの血が濃い父親とペルシュロンの血が多い母親の組み合わせは,いわゆる「雑種強勢」が強く出る配合なのではないかと思われます。3品種の血量もまんべんなく入っていてクロスも無く,血統表を見る限り「頑健そうな血統」という印象を受けますし,小さい身体ながらも最後までしっかり歩くワタシハスゴイのレースっぷりとも重なります。2歳時から活躍してきた仕上がりの早さは父譲りというかブルトンの影響が出ているんでしょうかね。ただ,アキバオーショウも高齢まで活躍しておりましたし,母方の血統を見ても早熟っぽくは見えません。これからどんどん成長してくるでしょう。名牝と呼ばれるような競走馬に育つことを期待しています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 01, 2009

血統解説(第13回) ウィナーミミ

今回の血統解説は黒ユリ賞勝ちのウィナーミミ。父インディボクサー,母コハクレディー。網走市大野正助氏の生産馬。弟にシュッセカイドウ(現役)。

父インディボクサー,1996年生まれ。197戦23勝で重賞出走経験は無し。定年を迎える2シーズン前に引退,繁殖入りしています。自身の競走成績はさほど目立つものはありませんが,半兄にニュートリノ(166戦21勝),母のいとこにスーパーペガサスを持つ良血。繁殖牝馬の多い十勝で供用されたこともあって多くの産駒がデビューしています。残念ながらすでに死亡しているとのことで,現3歳と2歳馬が全産駒となります。その父ダイヤテンリユウニセコクインヨウテイクインの兄で重賞10勝,種雄馬としてもサダエリコハイトップレディをはじめ多くの活躍馬を出した,ばんえい競馬史上屈指の名馬の一頭です。

母はコハクレディー,1998年生まれ。2000年5月に1戦して未勝利(7着),結局そのまま引退となっております。ただ,繁殖牝馬として登録されたのが2006年で,血統登録上ではウィナーミミが初仔ということになっております。母父カゲイサム。2代母メジロユリは競走経歴はありませんが,半妹にヒメコマチ(94年黒ユリ賞)がいます。代々二世ロッシーニ,カイリキ,カゲイサムと有名どころの種雄馬を配合されてきたゴージャスな血統という印象を受けます。

ウィナーミミの5代血統表
鉄鯉と二世ロッシーニのクロスが入っています。品種別の血量で見るとまあ平均的なところでしょうか。2代父が両方とも仕上がりの早い産駒が多かったので,ウィナーミミの活躍はなるほどという感じ。イメージ的には高重量戦での馬力勝負よりは世代限定重賞や特別戦に向くタイプなのかなという印象です。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

May 26, 2009

血統解説(第12回) エンジュオウカン

今回の血統解説はカーネーションカップで3年半ぶりの重賞勝ちを達成したエンジュオウカン。父コブラテンリュウ,母ラッキーホマレ。中標津町延壽武好氏の生産馬。妹にエンジュダイヤ(05ばんえいダービー)がいます。

父コブラテンリュウはフクイズミの回でも書きましたが176戦32勝(重賞4勝)と優秀な競走成績を残し,かつ種雄馬としても1世代のみの産駒から2頭の重賞勝ち馬を出した名馬です。
非常に気性が荒いことで有名な馬でしたが,エンジュオウカンも若い頃はパドックで盛んに尻っぱねをするなど相当やんちゃっぽいところを見せていて,やっぱり親子なんだなと思ったりもしました(苦笑)
余談ですが,3代父ボルールから連なる血統で最も成功した馬はハイスピード(114戦25勝で重賞10勝)だと思うのですが。このハイスピードも繁殖入りしてニセコクインヨウテイクイン姉妹,ダイヤキャップと活躍馬を出しながら2世代の産駒を出したのみで早逝。後継として期待されていたダイヤキャップは現役途中で斃死と,なかなか悲運な系統であります。
母ラッキーホマレは不出走。その父ネムロアンテンはグウラントン→第十三グウラントン→ダイニアンテンから連なる非常に珍しい系統。2代母姫小松は純血馬同士の交配,その父ポルトも競走馬にはあまり入っていない系統で,非常にレアな血統構成といえるかと思います。エンジュオウカン&ダイヤ以外には目立った活躍馬のいない,どちらかといえば地味な牝系といえます。

エンジュオウカンの5代血統表
ベルジアンの血は入っておらずペルシュロンの血が過半を占めていますが,かなり雑種化が進んでいる印象。教科書的な血統論では「スピード=ベルジアン」「スタミナ=ペルシュロン」と一般的に言われているわけですが,エンジュオウカンの非凡なスピードと血統表を見比べると,この論は当てはまりませんね。血統って本当に難しいです。
また,ジアンデユマレイもマルゼンストロングホースも二世ロッシーニも鉄鯉も富士も入っていない,異系血脈の固まりのような血統構成が大きな特徴。将来の繁殖入りが楽しみです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)