(ニュース転載) まちづくり懇談会での市長発言
帯広市では市長が直接まちづくりの施策や事業などを説明し,市民からの意見を聞くまちづくり懇談会というものがあるそうで。今月に市内8ヶ所で開催されたそうです。11月17日の北海道新聞(地方版)の記事から,ばんえい競馬に関する市長の発言を抜き出してみると
例えば8日の東コミュニティセンターでの懇談では,ばんえい競馬をめぐり、市民から「ギャンブル性がない文化色の濃い方向に持っていけないのか」との質問が飛び出し,砂川市長が「文化はそれだけではお金が稼げない。今の時点では,競馬はやり続ける必要がある」と答えるやりとりなどがあった。
ばんえい競馬は確かにギャンブルです。でも,以前はその益金が市の財政に貢献しました。今は売り上げが落ちてピークの3分の1。将来も大きな売り上げは期待できません。
北海道開拓は馬が行った歴史があり,そのおかげで今の時代がある、そういう時代の記憶を未来に伝えることが大事だと考えます。
今,農耕馬が活躍できる場所はばんえいしか残っていません。廃止したら,馬そのものが無くなってしまう可能性があります。ただ,赤字を続けると大変なので,市の一般会計から赤字分を補てんすることはありません。
ばんえい競馬はまだ,今以上に収益を上げられると思っています。場外馬券場の工夫,新しい馬券の開発,観光資源にもなる。万策尽きたら,そこで判断すると言うことが想定されますが,今の時点では競馬をやり続ける必要があります。
文化はそれだけではお金を稼げません。競馬を通じて馬文化を後世に伝えていきたい,と思っています。
ということで,砂川市長としてはばんえい競馬の継続に前向きなお考えをお持ちのようです。
実のところ,先日もまちづくり懇談会については11月2日の地方版でも記事になっていたのですが
売り上げ不振が続くばんえい競馬の運営について,砂川市長は「赤字を一般財源で補てんすることは考えていない」とあらためて表明した。
この日の住民側出席者は約30人。砂川市長は同競馬について「競馬場の複合施設化で運営がプラスになるよう検討している。赤字になれば廃止しかない。そうならないよう努力している」と述べた。
と,随分後ろ向きな印象の報道だったのでちょっと心配していたのですが。
ただ,「赤字を一般財源で補填しない」というのは重ねて強調されていますので,予断を許さない状況は変わりありません。説得力のある「黒字化達成のためのロードマップ」を示して,帯広市民(市議会)の賛意を得る必要があるでしょうし,「本体」である馬券売上額の減少を食い止めなければいけないでしょう。
「鳩山不況」などという言葉が流行りそうな昨今,北海道は更なる厳しい経済状況となるかもしれない状況下なわけで。厩舎関係者のみならず馬主や生産者が安定的にばんえい競馬に参画していけるための「明るい将来像」,それも単なる夢物語ではない「説得力のある中期構想」が必要なのではないかと思います。