November 18, 2009

(ニュース転載) まちづくり懇談会での市長発言

帯広市では市長が直接まちづくりの施策や事業などを説明し,市民からの意見を聞くまちづくり懇談会というものがあるそうで。今月に市内8ヶ所で開催されたそうです。11月17日の北海道新聞(地方版)の記事から,ばんえい競馬に関する市長の発言を抜き出してみると


例えば8日の東コミュニティセンターでの懇談では,ばんえい競馬をめぐり、市民から「ギャンブル性がない文化色の濃い方向に持っていけないのか」との質問が飛び出し,砂川市長が「文化はそれだけではお金が稼げない。今の時点では,競馬はやり続ける必要がある」と答えるやりとりなどがあった。


 ばんえい競馬は確かにギャンブルです。でも,以前はその益金が市の財政に貢献しました。今は売り上げが落ちてピークの3分の1。将来も大きな売り上げは期待できません。
 北海道開拓は馬が行った歴史があり,そのおかげで今の時代がある、そういう時代の記憶を未来に伝えることが大事だと考えます。
 今,農耕馬が活躍できる場所はばんえいしか残っていません。廃止したら,馬そのものが無くなってしまう可能性があります。ただ,赤字を続けると大変なので,市の一般会計から赤字分を補てんすることはありません。
 ばんえい競馬はまだ,今以上に収益を上げられると思っています。場外馬券場の工夫,新しい馬券の開発,観光資源にもなる。万策尽きたら,そこで判断すると言うことが想定されますが,今の時点では競馬をやり続ける必要があります。
 文化はそれだけではお金を稼げません。競馬を通じて馬文化を後世に伝えていきたい,と思っています。

ということで,砂川市長としてはばんえい競馬の継続に前向きなお考えをお持ちのようです。
実のところ,先日もまちづくり懇談会については11月2日の地方版でも記事になっていたのですが


売り上げ不振が続くばんえい競馬の運営について,砂川市長は「赤字を一般財源で補てんすることは考えていない」とあらためて表明した。
 この日の住民側出席者は約30人。砂川市長は同競馬について「競馬場の複合施設化で運営がプラスになるよう検討している。赤字になれば廃止しかない。そうならないよう努力している」と述べた。

と,随分後ろ向きな印象の報道だったのでちょっと心配していたのですが。

ただ,「赤字を一般財源で補填しない」というのは重ねて強調されていますので,予断を許さない状況は変わりありません。説得力のある「黒字化達成のためのロードマップ」を示して,帯広市民(市議会)の賛意を得る必要があるでしょうし,「本体」である馬券売上額の減少を食い止めなければいけないでしょう。
「鳩山不況」などという言葉が流行りそうな昨今,北海道は更なる厳しい経済状況となるかもしれない状況下なわけで。厩舎関係者のみならず馬主や生産者が安定的にばんえい競馬に参画していけるための「明るい将来像」,それも単なる夢物語ではない「説得力のある中期構想」が必要なのではないかと思います。

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September 11, 2009

(ニュース転載) 予算比9.4%減 41億円 最近1カ月で改善の兆しも

ばんえい十勝劇場さんからの引用記事

予算比9.4%減 41億円 最近1カ月で改善の兆しも

60日間の発売額 予算超え倍増、1億円突破

 ばんえい十勝は7日、第10開催60日間(全25開催150日間)を終えた。累計発売額は41億5356万1700円(予算比9.40%減、前年比11.66%減)。計画を1割近く下回り厳しい状況が続いているが、1日当たりの予算額を超える日の累計が直近の1カ月間で8日間に倍増、8月16日(1億189万8700円)には今季初めて1億円を突破するなど、改善の兆候もみられている。

 1日の発売額が1億円を突破したのは、ばんえい記念が開催された昨季の3月29日以来、約5カ月ぶり。8月16日はファン投票と獲得賞金上位馬による重賞レース「柳月杯ばんえいグランプリ」が開催され、注目度が高まった。

 今季の1日発売額は9000万円台がなく、8月16日に次いで多いのは8969万4900円(4月26日)、8694万5000円(5月4日)、8623万100円(9月6日)の順。

 60日間の累計発売額は、帯広競馬場が11億1402万9100円(予算比12.82%減、前年比12.61%減)と苦戦。旭川や北見など6カ所の直営場外は14億6830万3300円(同3.24%減、同12.50%減)で、計画をやや下回るペースで推移している。

 今季伸び悩みが顕著なネット・電話投票は、10億616万9800円(同12.70%減、同3.51%減)と低調。特にオッズパークの販売が予算比17.78%、前年比10.86%も減少し厳しい状況だ。

 市ばんえい振興室は「発売額が依然厳しいが少しずつ予算を超える日が増えてきた。これから巻き返したい」と話している。


これだけだとちと分かりづらいので,とりあえずこの記事の前の売上関連記事7月22日付(開催39日間)の数字と並べてみましょうか。

○累計発売額
 7月 27億3671万5600円 (予算比9.75%減 前年比11.73%減)
     ↓
 9月 41億5356万1700円 (予算比9.40%減 前年比11.66%減)

○帯広競馬場
 7月 7億5467万8000円 (予算比12.29%減 前年比11.24%減)
     ↓
 9月 11億1402万9100円 (予算比12.82%減 前年比12.61%減)

○直営場外
 7月 9億8814万3000円 (予算比3.02%減 前年比11.34%減)
     ↓
 9月 14億6830万3300円 (予算比3.24%減 前年比12.50%減)

○ネット
 7月 6億2650万4600円 (予算比13.72%減 前年比8.11%減)
     ↓
 9月 10億0616万9800円 (予算比12.70%減 前年比3.51%減)

○オッズパーク
 7月 計画より約2割低い水準
     ↓
 9月 予算比17.78%減 前年比10.86%減


記事ではネットの不振が売上減の主犯扱い的なニュアンスで書かれていますが……。こうしてみると,7月下旬から9月上旬にかけてネットでの売り上げは次第に回復しつつあるように見受けられます。オッズパーク&楽天競馬のポイント還元キャンペーンの効果が出ているんじゃないかと。反対に,競馬場や直営場外は予算比の売上減幅が増えてしまっています。
「改善の兆候」はネット売りでこそ見られるものの,競馬場や直営場外の数字は相変わらず浮上の気配無し,と読むべきではないかと思います。
これについては,秋期薄暮開催の時間を変更した影響がどう出るかに注目したいですし,

  「そもそも来年の開催でナイター(薄暮)が必要なのか?」

という議論を十分してもらいたいと思います。特に,ナイター開催の意義については「競馬場だけ」で検討せずに,帯広あるいは十勝全体への経済波及効果を見極める上で商工観光関係のプロと議論をしてもらいたいな,と。

また,競馬場の売上減少傾向に歯止めがかからない,という問題についてですが。競馬場で行われている各種場内イベントの費用対効果についても検討すべきじゃないかと思います。例えば,競馬場でのイベントといってまっ先に思い浮かぶのは

  レース発走前の勝ち馬投票券○○円以上提示で抽選会参加

ですが。これって限られた常連客の既得権と化してないでしょうか? もちろん「2000円以上で1回抽選」をやっているなら「普段1000円しか買ってないけど,抽選できるなら多めに買っちゃおうか」という需要の掘り起こし,あるいは既存客の囲い込みはできるとは思いますが。これだと新規顧客を増やすことにはつながらないし,そもそも費用対効果として見合ったものなのかと考えると,個人的には疑問符を付けざるを得ません。
そういう意味では,釧路大漁どんぱくとハロンズ釧路場外発売所でのコラボイベントとか「投票へ行こう!その後はばんえいへ。」キャンペーンなんてのは個人的には面白い方向性だなと思います(実際の効果は分かりませんがw)し,これからは「これまで競馬場に来たことの無い人を新規で呼び込む」キャンペーンをもっと重視してもいいんじゃないかと思います。
それと,イベント抽選会でいえばもう1つ。競馬場での抽選イベント等はもっぱらOPBMの職員が行っているんじゃないかという気がするんですが……。これって別に職員じゃなくてボランティアでも対応できるんじゃないでしょうか? それこそNPO法人とかち馬文化を支える会あたりに手伝ってもらえばいいじゃないですか。その分,OPBM職員のマンパワーはOPBM職員にしかできない業務(企画立案とかマスコミ・企業対応とか)に振り向ければいいわけで。赤字で緊縮財政を強いて競馬の運営をしているなら,人的コストは極力効率的に投下すべきだと思いますし,外部の助力を得られる部分があるとしたら積極的に受け入れるべきだし,「競馬を続けたい」と思う人が直接的に競馬運営の手伝いを担える入り口となるわけで。

だって「全員参加型」なんですから。

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July 23, 2009

(ニュース転載) ばんえい十勝ナイター1カ月 発売額11.7%減 雨天で集客伸び悩み

ばんえい十勝劇場さんからの転載記事。


ばんえい十勝ナイター1カ月 発売額11.7%減 雨天で集客伸び悩み
 ばんえい十勝は20日でナイター1カ月間が経過。開催39日間の累計発売額は予算比9.75%減、前年比11.73%減の27億3671万5600円で、計画を1割下回る厳しい状況が続いている。予算を超えた日は開幕から4日間しかなく、ナイター開催15日間ではわずか2日間にとどまった。厳しい経済状況で電話.ネット投票が伸び悩んでいるほか、雨天で集客も伸び悩んでいる。

 1日平均の発売額は7017万2195円(前年7949万3769円)。帯広競馬場は7億5467万8000円(予算比12.29%減、前年比11.24%減)で計画を1割近く下回り苦戦している。

 旭川や北見など道内6カ所の直営場外発売所は9億8814万3000円(同3.02%減、同11.34%減)。今年度移転リニューアールした旭川場外(旭川北彩都)は予算比10.39%減の4億610万1200円で、想定より厳しい状況に陥っている。今月4日に移転オープンした北見場外(ミントスポット北見)や釧路、苫小牧は計画をやや上回る額で推移している。

 単独開催3年目で最も苦戦が顕著なのがネット・電話投票。累計発売額が6億2650万4600円(予算比13.72%減、前年比8.11%減)で、特にオッズパークの売上額が計画より約2割低い水準まで落ち込んでいる。

 市ばんえい振興室は「ネットの落ち込みはオッズパーク.ばんえい・マネジメントと話しているがよく分かっていない。(全体の発売額の落ち込みは)景気と雨天が大きい」(合田隆司室長)と話している。

誠に困った事態であります。ネット投票の落ち込みがひどいというのは実に困ります。
地全協のサイトの地方競馬開催成績で主催者別の実績を見てみると,今年度4~6月の累計で電話投票の投票額が前年割れとなっている主催者は帯広のみ。不景気云々で片付けられる問題ではありません。
ばんえい競馬を運営しているオッズパーク・ばんえい・マネジメントと,その兄弟会社であるオッズパーク株式会社が運営している投票サイトであるオッズパーク。情報交換の密度や共同キャンペーンの取り易さ等,他主催者よりも恵まれた条件であるはずなのに

> オッズパークの売上額が計画より約2割低い水準まで落ち込んでいる。

というのはいかがなものかと。

> ネットの落ち込みはオッズパーク.ばんえい・マネジメントと話しているがよく分かっていない

「よく分かっていない」じゃなくて,オッズパーク株式会社さんにはユーザの動向等の分析をしっかりとやってもらいたいし,その情報をOPBMと共有した上で今後の対策に活かしてもらいたいです。そうしなければ五重単やったってどうにもならんよ,という気がします。

さて。ネット投票の売上減に関しての数字の裏付けがない素人の見解としては。やっぱり原因は「存廃前後に増えた新規客を囲い込めていない」であり「新規で買ってくれた一見さんがリピーターになってくれない」ことだと考えます。そしてその要因は巷で言われている「同じコース&同じメンバーによるマンネリ感」よりも

どうやってレースを観戦したらいいのか,どうやって予想したらいいのか,が分からない

方が大きいのではないかと感じています。
今までも何度も書いてきたかもしれませんが,同じ「競馬」といってもばんえい競馬は平地競走と全く違うために,平地競走のファンだからといってスンナリ入ってくるのが難しい。そして,道中で馬を止めたり第2障害下で他馬が揃うまで待っているように見えたりするのはビギナー層にとっては「なんで?」と思われてしまう。その疑問がすぐに氷解しないと「やっぱりばんえい競馬は分からないや。買うの止めた」となってしまう。
ばんえい競馬のレースの見方について,Web上で最良のテキストは以前ばんえい競馬情報局で矢野アナウンサーが書いたコラムだと思います。これをまとめたのが公式サイトのコラムのところにありますが,どうもイマイチ目に留まりにくい。もっと大々的に「どうやって予想すればいいのか」みたいなコンテンツにしておいてもいいんじゃないかと思います。それこそ,チュートリアル的な動画を作って配信してみても面白いんじゃないでしょうか?

また,予想については,これも何度も書いているような気がしますが,ネット上で予想の根拠となり得るコンテンツが圧倒的に少ないこともばんえい競馬の弱点。もちろん競馬新聞のネット配信もありますが,無料で情報が手に入るのが当たり前のインターネットなわけですから,ビギナー層にとってはお金を払うというのは極めて敷居の高いものとなります。五重単で幅広い層から宝くじ感覚で買ってもらうことを想定するなら尚のこと,無料でアクセスできる予想の根拠となる情報を増やさなければならないと思います。オッズパークでは先着百名限定でメインレースの予想紙を無料で見ることができますが,先着百名というのはいかにもアレですし,そもそも五重単を予想することはできません。地全協サイトの出馬表とオッズパークの出馬表(2名の予想印)だけで予想しろというのは,一応十数年ばんえい競馬を見ているわたしでも自信の持てる予想はできないし,それこそ将来的に三連単が発売されても怖くて買えません。
平地競走のノウハウが通用しないばんえい競馬なのですから,ビギナー層に予想してもらうためには,より分かり易い予想の根拠となる情報をより多く提供していく必要があると思います。ビギナー層ライト層でも簡単に存在を認知できる,ばんえい競馬公式サイトあるいはオッズパークのコンテンツから簡単にたどれる場所に置けるとモアベター。
例えばホッカイドウ競馬ひだか応援隊でやっているような無料予想情報予想大会のようなものがあってもいいでしょう。個人のblogで予想をなさっている方もたくさんいらっしゃいますが,それをあちこち見て回るのも大変ですし。オッズパークジェーピーでは予想の達人を展開しておりますが,失礼ながら正直な感想をいえば盛況なようには見えませんし,このへんのテコ入れがあったりしてもうれしいなと思います。

秋からは五重単が始まるわけですが,これを成功させるにはとにかく「Web上でばんえい競馬を楽しむ人を増やす」ことと「オッズパークのユーザ数を増やす」ことが重要だと思います。OPBMとオッズパーク社で連携しての施策が重要になるんじゃないかと。

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July 16, 2009

(ニュース転載) イオンが競馬場で商業施設構想

イオンが競馬場で商業施設構想【帯広】

 帯広市が帯広競馬場の複合施設化を検討している問題で、国内小売り大手のイオンが市に対し、同競馬場敷地内での新たな商業施設構想を非公式に打診していることが、15日までに分かった。小売り、文化、飲食、スポーツジムなどの複合施設「リージョナル・ショッピングセンター(RSC、広域型商業施設)」を整備し、ばんえい競馬との相乗効果で集客を図る計画。競馬場敷地は現状では1万平方メートルを超える商業施設は建設できず、市側は実現に否定的な立場を示している。

 イオン側の担当者が十勝毎日新聞の取材に対し、明らかにした。RSCは飲食、物販、サービス機能を合わせた200前後のテナントが入る大規模施設。苫小牧市のショッピングセンターに類似した施設をイメージしている。

 担当者は「全国で最近作られている施設。十勝にないショッピングセンターを帯広でやりたい。経営が厳しいばんえい競馬の応援に協力する意向がある」と説明する。

 イオン側は中心部に近い立地と広大な敷地が確保できる点に着目、10年ほど前から競馬場敷地内での立地を模索していた。市が競馬場の複合施設化を検討していることを知り、担当者が6月上旬に市役所を訪れ、構想の概要を伝えていた。

 構想は(1)中心部の中心性を補完(2)ばんえい競馬の集客に相乗効果を生み出す(3)今までの十勝帯広にないもの-を念頭にしており、ポスフール帯広店の移転については未定としている。十勝の中心地の再構築を担うことで、音更や幕別、管外から人を呼び込み、地元百貨店の藤丸や商店街との相乗効果も図る。札幌市の観光名物のように、競馬場と中心部を結ぶばん馬馬車の運行も模索している。

 競馬場に不特定多数の市民、生活者、道内外の観光客を集客できるとし、乗馬体験などイベント開催も可能と判断。施設内に地元企業による「おかしタウン」、「豚丼ストリート」、地元土産コーナー、映画ロケ地が多い地域性を紹介する「十勝映画ストリート」といった観光要素も含めている。テナントは地元のほか、全国展開の店舗なども想定している。

 敷地は競馬場北側を活用し、約10万平方メートルを想定。ただ、競馬場は1万平方メートルを超える店舗は建設できない「第2種住居地域」で、担当者は「土地の賃貸も考えている。いずれにしろ市と地権者の協力がなければ具体化できない」とも話す。

 市商工観光部は「土地利用は答えられる立場にはない。地元経済界にも配慮する必要がある」と説明。土地所有者の十勝農協連は「対応を市に任せている」としている。

http://www.hokkaido-nl.jp/detail.cgi?id=1169


競馬場の複合施設化がクローズアップされているこの時期に,具体的な計画案が出てまいりました。記事によると10年ほど前から検討していたとのことなので,充分に煮詰めた上でのプランなのでしょう。
素人かつ非地元民の立場なので事実誤認もあろうかと思いますが,とりあえずポイントとなりそうなのは
・第2種住居地域
・ポスフールとの兼ね合い
・地元商工関係団体との兼ね合い
あたりでしょうか?
地元商業,とりわけ帯広市内の商店主の反発は相当強いんじゃないかと思います。ただ,ここで反対して競馬場敷地への出店を阻止できたとしても,その代わりに音更や幕別に出店されてしまうということもあり得るわけで。個人的には(たとえ建前だとしても)

> 地元百貨店の藤丸や商店街との相乗効果も図る

の具体的な案や試算を見てみたいなと思います。

あとはなんといっても。競馬ファンとしての立場からすれば,併設による「ばんえい競馬としての」メリットが最大の関心事です。単なる「ショッピングセンターが隣にある競馬場」じゃあ面白くない。世界唯一のばんえい競馬が行われている競馬場として,より魅力のある空間になってもらいたい。

ということで,イオンさんには今度NPOとかち馬文化を支える会主催の「未来の帯広競馬場デザイン・コンクール」に応募して,計画案をプレゼンしていただけるとありがたいなと思います。

馬券売上の減少傾向は今後も続くことがほぼ確実な状況で,施設の複合施設化というのはばんえい競馬のみならず公営競技全体の課題になるでしょう。そういう意味では,今回のデザイン・コンクールはもっと大きく取り上げられてもいいのかな,という気がしますし,どのようなプランが出てくるかが非常に楽しみです。

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June 24, 2009

(ニュース転載)あすからナイター開催 薄暮開催 予算に10%届かず

ばんえい十勝劇場さんからの転載記事


あすからナイター開催 薄暮開催 予算に10%届かず
 ばんえい十勝は20日からナイター開催が始まる。今季初めて実施した薄暮開催は16日で前半が終了、馬券の発売成績は16億5434万1200円で予算比10.43%減、前年比11.40%減と想定以上に厳しい状況となっている。ナイターは9月21日までの計42日間。帯広競馬場でビアガーデンなどの企画もあり、多くの来場を呼び掛けている。

 薄暮開催は5月9日に前半がスタート、16日までに計18日間開催した。後半はナイター終了後の9月26日に開始、10月19日まで計12日間行う。

 前半の薄暮開催は予想以上に馬券発売が伸びず、1日の最高額は5月10日の7803万800円、最低は6月1日の5209万4600円。景気低迷に、天候不良などが追い打ちをかけた。

 16日までの開催24日間の累計発売額は、帯広競馬場が4億6736万4000円(予算比12.79%減、前年比9.48%減)、道内6カ所の直営場外は6億3177万1200円(同2.29%減、同8.27%減)。帯広の落ち込みが目立つ。

 道営競馬のミニ直営場外「Aiba」など広域発売も不振が続き、2億1391万8300円(同26.46%減、同21.41%減)。電話.ネット発売も3億4128万7700円(同8.64%減、同12.47%減)となっている。

 ナイターは昨年の反省を踏まえ開催日を42日間と期間を短縮。第1レースは午後2時半、最終第12レースは8時35分となる。ビアガーデンは7月4日から8月末まで。ナイター開始キャンペーン(20-22日)として馬券3000円以上の購入者に、騎手の直筆サイン入りポストカードを提供する。市ばんえい振興室では「薄暮開催の効果を検証して後半に生かしたい」(合田隆司室長)と話している。


ということで,予想はされていましたが厳しい数字が並んでいます。とりあえず種別ごとに軽く考察してみますと。

○競馬場  予算比12.79%減 前年比9.84%減

えっと。わたしの記憶が確かならば,薄暮開催が始まった大きな理由の一つが「5月からナイターは寒すぎるから」だったはずなのですが。その不評だった昨年からの巻き返しもできていないのはいかがなものかと。

> レースの最初(午後0時半)と最後(同6時半ごろ)が昼食や夕食の時間と重なり、
> 中途半端な時間帯だったかもしれない

という市の担当者のコメントがありましたが。それ以外にも道新の地方版にあった記事でとかち馬文化を支える会の旋丸巴理事のコメント

> レース開催時間が頻繁に変わりファンも混乱しているのでは

というのもあるのでしょう。結局のところ,事前のリサーチがまるでなっていないんじゃない? どういう数字を見て検討して薄暮開催を決定したの? という,このblogでも何度か書いてきた話になるわけで。

とりあえず,来年度以降の話はともかくとして。今年度のナイターや秋季薄暮開催での売り上げ増を図るとしたら,以前のエントリで書いたように「夕方に帰宅する客にその後のレースを前売りで買ってもらえるようなキャンペーン」とか「観光客に便利なサービス」を打ち出していくべきかな,と思います。そして,それを推進するに当たっては「競馬場」だけで考えるんじゃなく「オール十勝」の視点でやっていくべきではないでしょうか?

○直営場外 予算比2.29%減 前年比8.27%減
○広域場外 予算比26.46%減 前年比21.41%減

広域場外の落ち込みが特に目立つのは,Aibaで売らなかった日があったのもあるのでしょうか? こちらも「夕方に帰宅する客にその後のレースを前売りで買ってもらえるようなキャンペーン」みたいなのを考えられないかな,と。

○電話ネット 予算比8.64%減 前年比12.47%減

ナイターや薄暮開催を実施するにあたっては「他場(主にJRA)と競合する時間を避けて,そちらのファンを呼び込む」という目論見があるのかと思いますが。数字を見る限りは成功しているとは言い難いでしょう。これは「レース開催時間が頻繁に変わりファンも混乱している」というのもあるでしょうが,それ以上に存廃騒動→単独開催時に新規で購入してくれたファンをリピーターとして掴みきれていないということが大きいと思います。
ネット投票の振興策についてはナイターだ薄暮だという以前に「インターネットでばんえい競馬の馬券を買ってもらうための努力」が必要だと思います。なんといっても五重単の導入を間近に控えているわけですから。これについては競馬場だけでなくオッズパークの動きにも注目したいです。
ネット投票の振興策というかインターネット層のファン獲得については,これまでもところどころのエントリで書き散らかしておりましたが,後日改めてまとめてみたいなと思います。


薄暮開催については,結局のところ「どの客層をターゲットにしているのかが分からない」というのが正直な感想です。競馬場の入場者数を増やすのが目的だとしたら,来てもらいたかったのが観光客なのか地元の若者なのか? ネット投票の売上増を期待したのか? 結局のところ全部門で目立った成果があがっていないわけで。
ナイターあるいは秋季薄暮開催の成功のためには「来てもらいたいと考えている客層」をターゲットにPRを集中的に行ってもいいんじゃないかと思います。例えば,観光客を狙うなら観光コンベンション協会や十勝川温泉とのさらなるタイアップを考えるとか,旅行関係のメディアへの働きかけ。JRA最終レースが終わった後に流れてくる客層を取り込むなら,よりJRAのファンが目にしやすい形でのPRとか。本当はJRA開催中の札幌競馬場でPRイベントとかできればいいんでしょうが,やっぱり無理なんでしょうかね……。

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May 28, 2009

(ニュース転載)ばんえい厳しい出だし 今季開幕1カ月 発売額7%減

ばんえい十勝劇場さんからの転載記事


ばんえい厳しい出だし 今季開幕1カ月 発売額7%減
 帯広市単独開催3年目のばんえい競馬は25日、開催15日間を終え、1カ月が経過した。発売額は10億8482万6100円で、計画を7.79%下回り、前年比でも7.42%減と厳しい滑り出しとなった。帯広競馬場は計画より1割以上も少ない発売額で推移、直営場外より計画到達度は悪い。今季は旭川場外を移転、薄暮開催を初めて実施するなど新たな試みを始めたが目に見える成果は表れておらず、関係者は今後の盛り返しに期待している。

旭川場外移転初の薄暮開催「今後に期待」

 15日間の入場者数は、帯広競馬場が前年比2503人(8.41%)減の2万7269人と落ち込みが目立つ。一方、道内6カ所の直営場外は、同709人(3.25%)増の2万2547人と微増。旭川は同331人(3.99%)増の8627人で、北見、岩見沢、苫小牧も前年以上の入場となっている。

 発売額は入場者数の減少と連動し、帯広競馬場が3億1247万円で、予算比11.63%、前年比8.42%の減少。昨季の早すぎるナイター開催を踏まえ、今月9日には日中開催よりやや発走時刻を遅らせる薄暮開催を始めた。ただ客足は伸びず、市の担当者は「レースの最初(午後0時半)と最後(同6時半ごろ)が昼食や夕食の時間と重なり、中途半端な時間帯だったかもしれない」と語る。

 直営場外は予算比1.41%減、前年比5.61%減の4億689万円。旭川は前年の実績をわずかに上回っているが、計画より3.56%低く、オープン効果は限定的となっている。北見、苫小牧は計画を上回るペースだが、旭川を除く5場外の実績はいずれも前年割れしている。

 ネット.電話投票も同6.49%減、同7.16%減の2億1119万円と低調。広域発売は中核となる道営競馬の直営場外「Aiba」での販売が伸び悩んでおり、ばんえい以外の他競馬場の馬券も発売していることから、分散が一因とみられている。

 市ばんえい振興室では「他の競馬でも売り上げは伸びていない。景気の悪化が影響している」と懸念。砂川敏文市長は25日の定例記者会見で、「新しい試みをやっており、昨年と違ったことが出ることに期待したい」と話した。


非常に厳しい出だしとなっております。
個人的に気になったポイントは2点。
1つ目は
> 昨季の早すぎるナイター開催を踏まえ、今月9日には日中開催よりやや発走時刻を遅らせる
> 薄暮開催を始めた。ただ客足は伸びず、市の担当者は「レースの最初(午後0時半)と
> 最後(同6時半ごろ)が昼食や夕食の時間と重なり、中途半端な時間帯だったかもしれない」と語る。

昨年のナイターが不調だったという記事の時にも書いたのですが,顧客の行動や時間毎の発売額を事前に調べた上での薄暮開催決定じゃなかったの? ちゃんとマーケティングしてるの? という疑問を持たざるを得ません。昨年度の経験がまったく活かされていないという印象です。

2つ目は
> 「他の競馬でも売り上げは伸びていない。景気の悪化が影響している」と懸念。

地全協のサイトで各主催者別の開催成績を見ることができ,今のところ最新の数字として平成21年4月分(※pdfファイル)の成績が閲覧できます。5月25日までのばんえい競馬の数字と4月分の他主催者の数字を単純に比較するのはアレなのですが,ばんえい競馬と同じく廃止が取りざたされている高知競馬をはじめ,一日平均当たりの売上額が前年を上回っている主催者がいくつもあります。単に「不景気だから」で片づけてしまってはいけないでしょう。

昨年度のロングランナイター開催の失敗を踏まえた(んですよね?)上で実施された薄暮開催ですが。通常の昼間開催と時間をずらすことによってどのような客層を集めようとしたのでしょうか? 本場なのか場外なのかネット販売なのか? 結果的にはどの客層も芳しくない数字になってしまっているわけで。

>「新しい試みをやっており、昨年と違ったことが出ることに期待したい」

という砂川市長の言葉どおり,これからも様々なPR策が出てくるんだろうと思いますが,全方面全客層へのPRというのはコスト(人的含む)的にも限界があるでしょう。薄暮開催(あるいはナイター)をPRするにあたって,少し「狙いたい客層」に集中的に資源を投下する戦略があってもいいんじゃないかな,と思います。
個人的には競馬場本場でのイベントなんかはとかち馬文化を支える会ばんえい競馬馬主協会が招聘したコーディネーター等にある程度任せて,OPBMは場外とネット販売のテコ入れに労力を集中的に投下した方がいいんじゃないか,と思ったり。

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April 21, 2009

ニュース転載 ばんえい市単独開催2年目 発売115億 前年比1割減

思いっきり時期外れですが,備忘録として。ばんえい十勝劇場さんからの転載記事。
もはや新シーズン開幕直前という時期でもありますので,今さら昨年度の不振の原因をあれこれ論じることはここでは止めておきます。単独開催3年目でまさに正念場となる今シーズン。入場人員と売り上げを増やすために,主催者をはじめとする各層がどのような動きをとるのか,期待を持って注視したいと思っております。


ばんえい市単独開催2年目 発売115億 前年比1割減
場外の落ち込み深刻 高額配当導入など新戦略

 帯広市単独開催2年目のばんえい十勝は30日で、今年度開催全日程の150日間が終了した。発売総額は115億5535万8700円、前年対比では89.34%と1割下回り、予算対比でも97.17%と計画を達成できなかった。後半は正月開催や重賞レースで盛り返したが、単独開催初年度の昨季より話題性が減り、天候不良によるナイター開催の不振が響いた。運営受託会社が赤字の見通しで、3年目となる来季は新たな発売戦略や競馬場の複合施設化など、経営安定に向けた道筋を示せるかが課題となる。

2008年度(開催150日) 2007年度(開催150日) 予算対比 前年対比
発売額 115億5535万円
1日平均7703万円
129億3397万円
1日平均8622万円
97.17% 89.34%
 (内訳) 帯広競馬場 30億1910万円
直営場外  42億9266万円
電話・ネット 24億1452万円
広域場外  18億2905万円
帯広競馬場 33億7218万円
直営場外  54億1571万円
電話・ネット 20億2821万円
広域場外  21億1785万円
101.99%
94.61%
99.44%
92.99%
89.53%
79.26%
119.05%
86.36%
入場人員 帯広競馬場 21万4808人
直営場外 22万1287人
帯広競馬場 23万7165人
直営場外 26万4080人
90.57%
83.80%

 入場者数は帯広競馬場(本場)が21万4808人(前年対比90.57%)と減少。直営場外も22万1287人(同83.80%)で昨季からの懸案だった落ち込みに歯止めがかかっていない。全体では1日平均2907人の43万6095人(同87.00%)。

 発売額の場所別内訳は、帯広競馬場が30億1910万7800円(予算対比101.99%、前年対比89.53%)、直営場外(旭川、北見、岩見沢、釧路、苫小牧、名寄)は42億9266万5800円(予算対比94.61%、前年対比79.26%)。

 旭川は18億円弱(予算対比105.88%、前年対比83.66%)と善戦したが、残り5カ所は予算割れ、前年比2割以上の減少と深刻化。市は直営場外の販売促進を図るため、旭川と北見の発売所を新年度から立地条件のよい市街地に移転する。

 インターネット発売のオッズパーク、競馬モールの「電話投票」は24億1452万7700円(同99.44%、同119.05%)と健闘。来季は高額配当が期待できる「5重勝単勝式」の導入で売り上げ増を期待。道営直営場外のAibaや道外など「広域」発売は18億2905万7400円(同92.99%、同86.36%)だった。

 砂川敏文市長は「3年目は経営基盤をしっかり示すことが必要な年。聖域なしで努力したい」と強調。複合施設化に関し、施設所有者の十勝農協連への協力要請については、「場面に応じて(要請したい)」とトップ交渉を行う考えも示した。運営受託会社のオッズパーク・ばんえい・マネジメントの藤井宏明社長は「複合施設化の具現化に期待したい。(複合化の)検討会議の構成メンバーを増やし工夫をしてほしい」と話した。(中津川甫)

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March 30, 2009

ニュース転載 2億円狙うなら「ばんえい競馬」、五重単・持ち越し導入へ

各機関で報道されていますが,とりあえず読売新聞の記事で。


2億円狙うなら「ばんえい競馬」、五重単・持ち越し導入へ
 「ばんえい競馬」を開催する北海道帯広市は、今秋のレースから連続5レースの1着馬を予想する「五重勝単勝式」をインターネット販売で導入する。

 的中者が出なければ払戻金は次回に持ち越しされる仕組みで、100円が最大2億円になる可能性があるという。

 同競馬は売り上げ減に苦しみ、委託先の運営会社が来シーズン限りでの撤退を示唆しており、同市などでは「宝くじファンにも購入してほしい」と期待を寄せている。

 重勝式は2005年の競馬法改正で実施可能になったが、現行の日本中央競馬会(JRA)や地方競馬での導入は初めて。五重勝単勝式は、事前に指定された連続5レースの1着馬を最初のレースの発走前にすべて予想する。的中確率は、10頭立てレースの場合10万分の1で、JRAの18頭立ての三連単(4896分の1)より低い。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090329-OYT1T00730.htm


新賭け式の話題としては今まで三連単が俎上に上ることが多かったばんえい競馬。個人的には「三連単やってもフルゲートの頭数が多い&予想の根拠となる情報量が圧倒的に多いJRAと時間が競合している以上,射幸心を煽る形での新規顧客開拓の望みは薄い」と思っていて,「どうせなら重勝式の方が面白いんじゃないか?」と考えたりしたこともあったのですが,「キャリーオーバー」という発想は全くありませんでした。これ,すごくいいですね。「宝くじ感覚」で,普段の掛け金に「プラス100円で」と,他場のファンも投票してくれるでしょうから(ただし,実際に「2億円の配当」となるためには累積270万票ぐらい売れる必要があるわけですし,現実的にそこまで持ち越せるかどうかは,推測の根拠となる数字が無いのでなんともいえませんが)。
とりあえず,この五重勝単勝式馬券が成功するための条件を考えると,やっぱり問題となるのは「どうやって予想する?」という事になるんじゃないかと思います。現状,ばんえい競馬の予想の根拠となりうるネット上で無料で見れるもの,というのはあまりに少ないんじゃないかと。ただでさえビギナー層に「どう予想していいかわからない」との声が多いばんえい競馬なわけですから,このまま五重勝単勝式を発売したとして,初めてばんえい競馬に触れる層がリピーターとして継続的に馬券を購入してもらえるのか? と考えると,やっぱりちょっと難しいんじゃないかという気がします。北海道競馬運営改善対策室でやっている予想サイトみたいなのを,半公式で作ってもいいんじゃないかと思ったり。これは五重勝単勝式に限ったことじゃなくて,現状の馬連馬単(+将来的に三連単の導入も)の馬券売り上げのテコ入れにもなるでしょうし。
あとは。「宝くじ感覚」ということであれば,単純に「オッズパークの会員数が増えること」も売り上げの大きなファクターになるんじゃないかと。となれば,ばんえい競馬という狭い視点だけでなく地方競馬全体,さらにはJRAも含めた競馬全体の底辺層の拡大が重要だなと。主催者の垣根を越えた相互キャンペーンや,もっと小さく草の根でのファン同士の交流なんていうのも,「競馬」を元気にしていく一つの要因になるのかな?

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February 23, 2009

ニュース転載 撤退の是非10月にも 収支、活性化策で「判断」 ばんえい運営藤井社長

ばんえい十勝劇場さんからの転載記事。


撤退の是非10月にも 収支、活性化策で「判断」 ばんえい運営藤井社長


 ばんえい十勝の経営会議が19日、帯広競馬場で開かれ、競馬運営を委託されているオッズパーク・ばんえい・マネジメント(OPBM)の藤井宏明社長は、収支見通しが厳しい状況が続けば、10月にも撤退の是非を判断する考えを示した。今年度は4100万円の赤字に転落するとの収支見通しも明らかにした。

 藤井社長は今年度当初のOPBM収支について、7700万円の赤字を見込んでいたが、税制改正に伴う受託収入の増加(1億1000万円)により赤字幅が圧縮したと説明。税制改正に伴う臨時収入がなければ「2、3億円の赤字になった」とし、強い危機感を示した。

 来年度の収支見通しは7700万円の赤字と試算。「かなり楽観的に見込んだ。危機感は(地域と)非常に開きがある。(市が)何もアクションをしなければ10月には(運営受託の撤退を)判断をせざるを得ない」と語った。競馬場の複合施設化(道の駅など)といった活性化を考える場を設ける動きが見えず、「残念」と苦言も呈した。

 砂川市長は「競馬場をさらに利用できる施設にするため、地主(十勝農協連)を含めた関係者を集めて早急にプロジェクトに動き出したい。皆さんの協力、知恵を借りて対策を取る」との考えを示した。

「ウチも厳しいんだから,市が協力してくんなきゃ辞めちゃうよ」という主旨は12月25日の会見とほぼ同じなのですが,具体的な収支や撤退の判断時期が明確な数字として出てきたのは,市や農協連等に対するOPBMのより明確なメッセージだと受け取れます。
景気後退が確実な中,OPBMの場合は母体会社(ソフトバンク)の経営判断もあるでしょうし,「撤退」というのは単なるブラフではないと考えています。存続が決まった当初より「馬券売上以外の収益基盤の確立」は大きな柱として議論されてきただけに,「残念」という藤井社長の言葉は個人的にもうなずけます。市や農協連,その他団体の早急な判断を期待します。そしてもちろん,馬券売上以外の収益基盤が機能し始めるのは(順調にいっても)数年先だと思われますので,そこまで競馬が持ちこたえるためにも,馬券売り上げ増加の努力はこれまで以上に行っていく必要があるでしょう。

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December 26, 2008

ニュース転載 OPBMと大筋合意 来年度のばんえい 藤井社長、撤退に含み

ばんえい十勝劇場さんからの転載記事。


OPBMと大筋合意 来年度のばんえい 藤井社長、撤退に含み

 砂川敏文帯広市長と藤井宏明オッズパーク・ばんえい・マネジメント(OPBM)社長は25日午前、市役所で記者会見し、ばんえい競馬を来年度も開催する方向で大筋合意したと発表した。藤井社長は「世界的な社会情勢の中でパートナー企業がどうなるか最終的な判断をしたい」と述べ、経済情勢の悪化次第では撤退も視野に入れていくことも示唆した。最終合意に向けて流動的な要素も残した。

 帯広単独開催のばんえい競馬は、主催者の市と運営業務を行うOPBMの間で単年度契約を結び、1年間の販売成績から、翌年度の開催を決めることになっている。市単独開催3年目となる来年度も、OPBMは引き続き運営委託したい基本的認識は示した。

 藤井社長は「今年度はかなり厳しい状況だが、赤字だから止めるというわけではない。基本的には開催したい」とした上で、「中長期的に安定的な運営ができなければ(ばんえい競馬が)望まれるものではないと判断する。道の駅といった複合施設化して収益構造を変えていかなければならない」と強調。来年度からの複合施設化が運営委託継続の後押しになる考えも明らかにした。

 砂川市長は「正念場だが、厳しい逆境をチャンスととらえ、長期的に運営する礎をOPBMと築いていかなければいけない時期だ」と述べた。

 鈴木新一市ばんえい振興室長は、来年度の日程案で、開催日数は150日、ナイターは昨季並みの42日間に短縮する方向性を示した。


ということで,ポジショントークやら何やらを考えると「一応来年度の開催は大丈夫。ただ,再来年は止めちゃうかもね」というところでしょうか?
馬券の売上額が低迷を続けている現状,来年は景気後退が確実とあってはまあ,こういう表現になるのは致し方の無いところ。OPBMの場合は親会社の事情もあるでしょうし。
「秋ごろになって突然廃止が急浮上,ドタバタして存続運動」なんて前回と同じ轍は絶対に踏みたくありません。

ばんえい競馬を続けたい

と思う人たちがそれぞれのスタンスで,今からできることをやっていくべきなんだろうな,と。

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