(ニュース転載)ばんえい厳しい出だし 今季開幕1カ月 発売額7%減
ばんえい十勝劇場さんからの転載記事
ばんえい厳しい出だし 今季開幕1カ月 発売額7%減
帯広市単独開催3年目のばんえい競馬は25日、開催15日間を終え、1カ月が経過した。発売額は10億8482万6100円で、計画を7.79%下回り、前年比でも7.42%減と厳しい滑り出しとなった。帯広競馬場は計画より1割以上も少ない発売額で推移、直営場外より計画到達度は悪い。今季は旭川場外を移転、薄暮開催を初めて実施するなど新たな試みを始めたが目に見える成果は表れておらず、関係者は今後の盛り返しに期待している。旭川場外移転初の薄暮開催「今後に期待」
15日間の入場者数は、帯広競馬場が前年比2503人(8.41%)減の2万7269人と落ち込みが目立つ。一方、道内6カ所の直営場外は、同709人(3.25%)増の2万2547人と微増。旭川は同331人(3.99%)増の8627人で、北見、岩見沢、苫小牧も前年以上の入場となっている。
発売額は入場者数の減少と連動し、帯広競馬場が3億1247万円で、予算比11.63%、前年比8.42%の減少。昨季の早すぎるナイター開催を踏まえ、今月9日には日中開催よりやや発走時刻を遅らせる薄暮開催を始めた。ただ客足は伸びず、市の担当者は「レースの最初(午後0時半)と最後(同6時半ごろ)が昼食や夕食の時間と重なり、中途半端な時間帯だったかもしれない」と語る。
直営場外は予算比1.41%減、前年比5.61%減の4億689万円。旭川は前年の実績をわずかに上回っているが、計画より3.56%低く、オープン効果は限定的となっている。北見、苫小牧は計画を上回るペースだが、旭川を除く5場外の実績はいずれも前年割れしている。
ネット.電話投票も同6.49%減、同7.16%減の2億1119万円と低調。広域発売は中核となる道営競馬の直営場外「Aiba」での販売が伸び悩んでおり、ばんえい以外の他競馬場の馬券も発売していることから、分散が一因とみられている。
市ばんえい振興室では「他の競馬でも売り上げは伸びていない。景気の悪化が影響している」と懸念。砂川敏文市長は25日の定例記者会見で、「新しい試みをやっており、昨年と違ったことが出ることに期待したい」と話した。
非常に厳しい出だしとなっております。
個人的に気になったポイントは2点。
1つ目は
> 昨季の早すぎるナイター開催を踏まえ、今月9日には日中開催よりやや発走時刻を遅らせる
> 薄暮開催を始めた。ただ客足は伸びず、市の担当者は「レースの最初(午後0時半)と
> 最後(同6時半ごろ)が昼食や夕食の時間と重なり、中途半端な時間帯だったかもしれない」と語る。
昨年のナイターが不調だったという記事の時にも書いたのですが,顧客の行動や時間毎の発売額を事前に調べた上での薄暮開催決定じゃなかったの? ちゃんとマーケティングしてるの? という疑問を持たざるを得ません。昨年度の経験がまったく活かされていないという印象です。
2つ目は
> 「他の競馬でも売り上げは伸びていない。景気の悪化が影響している」と懸念。
地全協のサイトで各主催者別の開催成績を見ることができ,今のところ最新の数字として平成21年4月分(※pdfファイル)の成績が閲覧できます。5月25日までのばんえい競馬の数字と4月分の他主催者の数字を単純に比較するのはアレなのですが,ばんえい競馬と同じく廃止が取りざたされている高知競馬をはじめ,一日平均当たりの売上額が前年を上回っている主催者がいくつもあります。単に「不景気だから」で片づけてしまってはいけないでしょう。
昨年度のロングランナイター開催の失敗を踏まえた(んですよね?)上で実施された薄暮開催ですが。通常の昼間開催と時間をずらすことによってどのような客層を集めようとしたのでしょうか? 本場なのか場外なのかネット販売なのか? 結果的にはどの客層も芳しくない数字になってしまっているわけで。
>「新しい試みをやっており、昨年と違ったことが出ることに期待したい」
という砂川市長の言葉どおり,これからも様々なPR策が出てくるんだろうと思いますが,全方面全客層へのPRというのはコスト(人的含む)的にも限界があるでしょう。薄暮開催(あるいはナイター)をPRするにあたって,少し「狙いたい客層」に集中的に資源を投下する戦略があってもいいんじゃないかな,と思います。
個人的には競馬場本場でのイベントなんかはとかち馬文化を支える会やばんえい競馬馬主協会が招聘したコーディネーター等にある程度任せて,OPBMは場外とネット販売のテコ入れに労力を集中的に投下した方がいいんじゃないか,と思ったり。